敷嶋 0歩目
Shikishima Step 0
天明 8 年 (1788 年 ) 創業でありながら、20 年前に 212 年の歴史を閉じた酒蔵・伊東。その酒蔵の復興を目指し、会社勤めから脱サラし、酒 造りの修行を積んだ伊東 優 (Masaru Ito) さんがついに復活まで漕ぎ 着けた決意の一本が「敷嶋 0 歩目」です。 パリジャパンエキスポで日本代表を務めた女流書家・田坂 州代 (Kuniyo Tasaka) 先生とともに、この大事な新作のラベルの制作を させていただきました。僕は、ブランディング、クリエイティブディレ クション、アートディレクション、コピーライト、デザインを担当させ ていただきました。 まず、伊東さんの「大手通信会社に勤めていながら一念発起し脱サラ。 自らの源流であるご実家の酒蔵の復興を志し、酒造りの修行を積み、敷 嶋という酒蔵伝統の銘柄を新しい形で復活させた」というストーリー、 そして「酒は水が命」というお酒の本質が重なり合い「源流をつむぐ酒」 というコンセプトをつくりました。そしてコンセプトをもとに、田坂先生に「源流の流れをイメージした書」をしたためていただきました。
「敷嶋」の名前の由来は本居宣長(もとおりのりなが)の短歌「しき嶋 のやまとごころを人とはば朝日ににほふ山ざくら花(現代語訳:大和ご ころとはどういうものかと問われたら、朝日に照り輝く山桜の美しさの ようなものだと私は答えよう)」に由来するとのこと。そのため以前の ラベルには桜の家紋が添えられていたという背景もあり、桜の家紋も新 しくデザインさせていただき、書に添える印としました。 そして、酒蔵復興を本当の1歩目と捉えているということで、お酒の復 活は0歩目という謙虚な想いを受けた新生敷嶋は、「敷嶋 0 歩目」とい う名称になりました。
敷嶋 0 歩目が「断たれてしまった酒蔵の時間の流れを紡ぎ、新たな酒蔵 の一歩に繋がる。そして、お客様に日本人の大和心を伝えられるように、 想いを込めてラベルをデザインさせていただきました。現在、様々な酒 屋さんで取り扱っていただき発売中です。オンラインショップはまだ準 備中ですが、伊東さんにメッセージするとご購入いただけます。